2020年02月18日

クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

2020年(令和2年)1月15(水)

プノン・バケン 360℃展望 遺跡の上が山頂  

アプサラダンスのレリーフ(アンコール・トム)

クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

今回の旅行は、アンコール・ワット、アンコール・トムなどの遺跡巡りはもちろんのことだが、
クメール三聖山を登ることが一番だ。

アンコール・トム、タ・プロームを見学後に
プノン・クロム山、プノン・ボック山と共に
クメール三聖山の一つプノン・バケン山頂を目指した。
三聖山の中では人気の観光地でもある。

アンコール・トム 近くにプノン・バケン
クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

アンコールワットとアンコール・トムの間ぐらいにある。
登山口でチケットを見せ出発だ。
なだらかな林道を淡々と登る。
全く雨が降っていないという乾季のため周りの草には土が何層にも積もっている。
緑と言うより土色の植物がかわいそうになる。

登る間ほぼ眺望はないが途中1カ所のみ休憩地点から展望がある。
見落としそうだが湖の中に遺跡が建つ景色が見られた。
訪れる人がほぼいないという秘境の遺跡のようだ。

山頂近くになると工事の音がしてきた。
大きな重機が入り、大きな石を持ち上げ石垣が組み立てられていた。
どの遺跡も崩れているところが多く徐々に修復されているようだ。
このプノン・バケン山頂にある遺跡もかなりの規模で修復中とのことだ。

プノン・バケン山頂から
クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

山頂でもある遺跡には300名限定で登ることができる。
まだ人は少なく人数確認のプレートを受け取り難なく登ることができた。

山頂からは360度の大展望が待っていた。
と言っても霞んでしまっていて地平線が広がるような感じだ。
アンコールワットの塔が見え、シェムリアップ方面が確認できた。
もっこりと他のクメール聖山、プノン・ボック、プノン・クロムが見られたのは嬉しかった。

山頂はサンセット見学で賑わうという。
我々は別のピラミッド型の遺跡プレ・ループから夕日鑑賞をするとのことで下山をした。
下山途中我々が登るとき少なかった人が、どんどん登ってくるではないか。それも中国の人が多い。
優に300人は越すだろう勢いで登ってくるのには驚いた。
そんな大勢とすれ違い下山する。
かつては象に乗り山頂へ登る観光もあったようだが今は歩くしかない。

プノン・バケン山を登ること優先。
早めに登ったことは正解。
遅くなったら人の山で、登ることができなかったのではと思う。
クメール三聖山の一つ目を無事登ることができた。

クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅


そして夕日はプレ・ループというピラミッド型の遺跡で鑑賞できた。
遺跡から眺めるオレンジ色の太陽が沈んで行く。


2020年(令和2年)1月16日(木)

プノン・クーレン


山頂にはヒンズー教寺院そして涅槃仏がある仏教寺院が建てられている。
未舗装の林道をかなり走る。
その途中、林道からしばらく歩いたところに断崖絶壁の岩場がある。
訪れる人がほとんどいないという秘境だ。
岩の上に立ちカンボジアの山並み続く絶景を楽しむことができた。

クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

仏教寺院が山頂に建ち、その中に10mほどの仏陀が横たわっている。
多くの信仰を集めるのと観光客で賑わっていた。
ヒンズー教寺院もその下にありヴィシュヌ神などが祀られている。
そこで僧侶により読経、聖水をかけていただき清めていただいた。

山頂から少し降ったところには滝が見られた。
下流の滝は大規模なもので、その滝壺では多くの方が水浴びをしていた。
また蜂蜜の産地ということでペットボトルに入った蜂蜜を1本購入。
今はパンに付けるなどして食し、カンボジアを味わっている。

クバール・スピアン

この登山口にある食堂で頂いたマンゴージュースは暑い中美味しかった。
ハンモックで一休みし登り始める。
約往復で2時間ほど歩くハイキングだ。
急坂、大岩も見られる登山道が続く。

クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅


シェムリアップ川の源流で、その川底にはヒンズー教の神々が彫られたレリーフやリンガが見られる。
しかしこの乾季全く雨が降らないために源流付近は干上がってしまっていた。
レリーフなど見られたが水中の美しい姿は見られなかった。

バンテアイ・スレイ

閉園間近、小規模な寺院バンテアイ・スレイへ入った。
赤っぽい岩でできた中央祠堂がこじんまりとして美しい。
ここに彫られたデヴァターと呼ばれる女性像は「東洋のモナリザ」と呼ばれている。

本来は近づいてみられない中央祠堂内へ特別許可を得て入ることができた。
閉館間際、他の観光客がいなくなったのを見計らって、警察官に伴われて入場。
壁の繊細な彫りが目の前で見られる。
そして「東洋のモナリザ」も至近距離で拝観できたのだ。

クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅


目鼻立ちがしっかりとしたふくよかな顔、そして理想の身体がしなやかに寄り添ってくる感じ。
「東洋のモナリザ」と言われるデヴァターは一体。
しかし他にも美しく魅了される女性像がいくつかあり、幸せな時間は瞬く間であった。

その夜は、アプサラダンスの鑑賞をした。
ステージ最前列に席を取ってくれてあったようで間近に見ることができた。
いくつか物語のあるダンスが演じられ、ラストの演目がアプサラダンスのメイン。
先ほど見てきた「東洋のモナリザ」を思わせる女性が登場。
ゆったりとした曲に合わせ収穫の一連の流れを指先を巧みに使い優雅に踊る。


2020年(令和2年)1月17日(金)

プレア・ヴィヘア 


カンボジアでアンコールワット遺跡群に次いで2番目の
世界遺産に登録されている。

シェムリアップから3時間、タイとの国境沿いにある。
長年タイとの領有権争いがあり、長らく緊張状態にあったという。
現在も目の前にタイの旗がなびく監視所が見られた。
シェムリアップからの道沿いにはカンボジア軍人のための家が建ち並ぶのも異様だった。

チケット売り場からトヨタのトラックに乗り換え登山口まで登った。
登り始めは一枚岩だろう登山道を進んだ。
すぐに北から南へ水平距離で800m、高度差100mの長い寺院の参道へ。

まずナーガと呼ばれる蛇の欄干がある階段を上る。
目の前に第一塔門が現われる。
カンボジア紙幣の図柄にもなっているというだけあって美しい。

長い石畳の参道を進み大貯水池を見て第二塔門へ。
その先大きな第三塔門の横に小さな建物が建つ。
この石積みの建物の上には植物が繁茂している。
どこかで見たような石積みと植物が建物の上に育つ姿は「天空の城ラピュタ」のモデルになったとガイドさんが話してくれた。
確かに石積みの形がどこかで見たようで、ラピュタに出てきた石積みの画面を思い起こした。

第四塔門・第五塔門そして中央祠堂のある山頂へと進む。
崩壊が激しく崩れた岩壁が山積みにされている。
門のレリーフは素晴らしいものが残りシヴァ神など描かれている。

クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

この先が山頂、断崖になっている。
大きな岩の上に進むと目の前にカンボジアの広大な展望が開ける。
霞んでくっきりはしないがどこまでも続きそうな大地が見渡せる。
乾季のために薄茶色の平地だが、雨季には緑が美しいと思われる。
大岩の断崖部分少し降ったところには祭壇が祀られていた。
修行の場というが、厳しい場所に設けられているのは日本と似ている。

下山は遺跡の横を降る。
足下は岩が出ていてプレア・ヴィヘアは岩山である。
よくぞこの岩山に大きな寺院を建てたものだと感心するしかない。

登山口から麓までは再びトラックで降る。
上りでは車内を選択したが、下りは荷台に乗った。
振り落とされないようにつかまり急坂を楽しんだ。
山の気持ちよい風が麓に近づくにつれ風が暖かくなる。

P.S.
その山道で三人乗りのバイクが高速でトラックを追い越して行くには驚くしかなかった。
車も多いがバイクがよく走る。
カンボジア人はほとんど歩くことがなく、日常の足になっているという。
カンボジアはバイクは免許がいらないそうだ。
そのため地に足の着かない小学生でも通学に乗る子がいるという。
実際小さな子が乗っているのを何度か見た。
それに最高5人乗りのバイク、赤ちゃんを抱えて荷台に乗る女性など。
P.S.
鉄道のないカンボジアでもある。
車は日本車が多く走るのだが、その中でもレクサスの多さに驚いた。
道は良く整備されている。

2020年(令和2年)1月18日(土)

アンコールワット


シンメトリーの均整のとれた塔が美しい。
中央塔へも登り大きな建物の全容が分かる。

朝のアンコール・ワット
クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

回廊に沿ってのレリーフの素晴らしさ。
物語が描かれている。
その場で話を聞きながらの鑑賞は楽しいものがある。
どこの国の歴史も似ているところがあり、考え方も似通っている。


2020年(令和2年)1月19日(日)

カンボジア最終日。
クメール3聖山の残るプノン・クロム、プノン・ボックへ登る。

シェムリアップから30分弱でプノン・クロムの登山口へ着く。
階段を利用して登り始める。
少し登り振り返ると通りに沿って並ぶ家のすぐ裏は広い田んぼが広がっている。
よく見ると家々の裏は高床式になっていて、雨期になるとこの辺りまでトンレサップ湖が広がってくると言う。

階段を上り終えると車道へと出た。
この車道を使って登ってくる人が多く、ハイキングの場所として多くの人が夕方になると来るという。確かに眺めは良い。

車道を外れ頂上への階段を登ると仏教寺院が建つ。
その先がまだ山頂への道となっていて、大きな遺跡が迎えてくれた。
シバ神など三神を祀るヒンズー教寺院だ。
迫力ある三つの建物、それぞれに神が祀られている。

プノン・クロムから
クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

フランス統治の名残、フランス兵舎跡を通り裏手に回ると
絶景が広がっていた。
緑の広い大地がどこまでも延びていく。
雨期にはトンレサップ湖の水はこの広い大地に恵みの水を運んでくるのだ。
淡い緑色の大地は日本の水田とは違う色合いを見せてくれた。

トンレサップ湖からのプノン・クロム
クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

下山後、トンレサップ湖へ。
そのトンレサップ湖からは登ったばかりのプノン・クロムが、湖に浮かぶように見られた。
その山容は思った以上に堂々としていた。

プノン・ボック

午後は、クメール3聖山最後の山プノン・ボックを目指した。
シェムリアップから1時間ほど車で走る。
登山口ではやはりチケットを見せて登り始めた。
ここはなんと言っても階段。

プノン・ボックから
クメール三聖山へ カンボジアの古代遺跡への旅

627段のほぼ直線の登り。
地元の若者が走るように登り始め我々を抜いていったが、
結局、階段が終わる時点では同時の到着となった。

階段が終わったところから振り返ると、
まっすぐな階段とその先の広大な風景が見られた。
地平線が霞む大地がどこまでも伸びるかのように広がる。

山頂には休憩所がありハンモックで休む人が見られた。
カンボジアの人はマイ・ハンモックを持ち歩くことが多いという。
日陰の木があればそこに気軽に張り休む姿が見られた。

プノン・クロムと全く同じ遺跡が山頂に並ぶ。
しかし崩壊が激しいのがプノン・ボックの遺跡だ。
寺院の傍らには図書館と言われる遺跡が存在し、大きな木が遺跡から伸びていた。

この遺跡からさらに奥に進む。
この山のシンボルでもあっただろう大きなリンガがある。
といっても倒れていてその立派なリンガの趣はなかった。

これでクメール3聖山を完登した。
カンボジアの古代遺跡アンコールワットの間近にある三山。
アンコールワットはさすがに見応えはあり素晴らしい。

クメール3聖山、プノン・バケン、プノン・クロム、プノン・ボックは
マイナーで訪れる人もまばらではあるが、
今なおヒンズー教の神を祀る寺院が建つ信仰の山でした。


ふるちゃん


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