鶏冠山へ 難関山梨百名山 木賊山周回
2020年(令和2年)11月9日(月)
鶏冠山へ 難関山梨百名山 木賊山周回
鶏冠山 二股橋より
山梨百名山を達成させるためには4つの大きな壁が立ちはだかっていた。
ロングコースの笹山・笊ヶ岳、険しい鋸岳・鶏冠山だ。
そのうち最後に残ったのが鶏冠山になった。
なかなか踏み出すことができなかった鶏冠山。
単独が多いのだが一人ではどうしても不安が先に立ち躊躇していた。
そこで同行できそうな人に声をかけていたところ現われた。
なかなか快くさあ山へ行きましょうという方はいない。
山仲間を介して鶏冠山どうかと聞いてもらうと三つ下の後輩が即手を挙げてくれた。
そしてその声をかけてくれた山仲間も一緒にということになり三人で登ることになった。
シルバー三人組は心強かった。
前日、参加しない危険回避の友人からYouTubeで鶏冠山の岩場の怖さを見せられたという山仲間T氏。最近調子よく毎週のように山に行っている。
T氏から声をかけられ、快い返事をくれたS氏。経験多く即行きたいとの返事が頼もしい。
このS氏の同意がなければたぶん今回登っていないのではないか。
トントン拍子で鶏冠山への道が開けた。
風はあるが天気はよさそう。
睡眠不足はあるが三人とも元気に駐車場を薄暗い6時に出発。
二股の吊橋からはモルゲンロートの鶏冠山の雄姿が見られた。
まさに鶏冠を思わせる険しい山容がオレンジ色に輝いていた。
鶏冠山出合の徒渉は山頂への第一歩。
素足のつもりでいたが水の流れは少なく飛び石で渡れそうと踏んだ。
渡れそうな石を選び難なく飛び渡ることができた。幸先良い。
ただ一人、第一歩を出すが次の一歩がなかなか出ない、戻れない。
簡単に渡れそうだが、自分もそうだが体が固まりその簡単な一歩が出ない。時間をかけ何とか水しぶきを上げ渡ることができた。
鶏冠山出合側へ渡りきったのだが、尾根への登山道があるはずが谷へ進んでしまった。
踏跡がある沢沿い、そして黒色のロープがあったためにそれに誘われてしまった。
しばらく行くが行き止まる。引き返すしかなくなった。
引き返し尾根側を見るとピンクテープがあるではないか。
完全に沢に沿ってある黒ロープに目が行き、尾根のピンクテープを見落としていた。完全な初歩的なミスだった。かなりエネルギーを使ってしまった。
尾根への登りが始まる。
最初はポールを使い難なく登り続けることができた。
徐々に高度を上げると険しさが増し始め、ポールを仕舞い両手をフルに使い登る。
岩場、ガレ場、それに枯れ葉が足下を不安にさせる。
チンネノコル手前の登りがシルバー三人組には骨身に応えた。
かなり時間がかかりチンネノコル・第一岩峰麓に出た。
第一岩峰には取り付きに触れるだけで第二岩峰方面に登る。
ということで第一岩峰というのはコルまでのことでクリアーした。
次が我々にとっては最難関の逃げるに逃げれない第二岩峰の尾根に取り付いた。
大きな岩から白い幹が生える。
この岩が第二岩峰で岩場が連続する尾根に入った。
取り付きが難しく、鎖が短いのかシルバー三人組は苦労してよじ登った。
登り切り大展望を楽しむ。
黒金山の三角錐、国師ヶ岳・北奥千丈岳から甲武信岳への稜線、その奥に金峯山が見られた。
岩場の尾根を慎重に行く 目の前に鶏冠山頂
何本か鎖場を通過していくが途中で女性二人組に先頭を譲った。
この二人ただ者ではないと感じた。
すいすいと岩を登り岩尾根を走るように来て追い越していった。
鎖の位置を正しく整えるなど、山梨県から依頼され鶏冠山のパトロールをしているとのことだった。
第二岩峰の峰々をなんとか乗り越えて第三岩峰の目の前に出た。
今シーズンは三回目の鶏冠山とのことで第三岩峰に取り付いた。
先頭の方はあっという間に上部に登りロープを張り次の方が登っていった。
写真を撮っても良いと言うので撮らせてもらい、ただただシルバー三人組口を開け眺めていた。
巻き道は問題なく行けると言われ、我々は巻き道へ入った。
確かに問題はなかったが、最初きつい下りではあったが難なく第三岩峰への尾根に登り着いた。
第三岩峰の「山梨百名山」標柱・国師ヶ岳・北千丈
少し戻るように第三岩峰を登った女性二人が休憩している山頂に着いた。
山梨百名山の標柱の立つ難関鶏冠山に登頂することができた。
体力も落ち、膝の不安などもあり、難しい山と思い登るのを不安いっぱいで躊躇していただけに感慨深いものがあった。
この先木賊(とくさ)山へは藪こぎもなく間違いなく行けますよ。
ただ倒木が多いかな。
と言い木賊山方面へ行くとパトロールの女性二人は先出発していった。
我々もその後まずは鶏冠山最高峰を目指し進んだ。
木々が生えていなければ思うように歩けないだろう細い尾根が続いた。
鶏冠山最高峰へは思っていた以上に時間がかかっていた。
山頂からは大きな木賊山その後に甲武信岳が顔を出していた。
鶏冠山2115m最高峰地点・甲武信岳・木賊山
時間はどんどん過ぎるがなかなか進まない。
起伏が大きく疲れも出てきていた。
さらにシャクナゲの藪に引っかかる、ピンクテープが見えないことも。
もっともきつかったのは倒木の多さだ。
ハードルにトンネル、そこに急斜面もありの障害物競走だ。
足がつりそうにもなり岩の難関を忘れるほどだった。
木賊山2469m(埼玉県にある)
それでも気力で登り切り木賊山に着いたときには安堵感に浸った。
ここまで来れば後は下るだけということでしっかり食べ英気を養った。
しかし時間はすでに3時過ぎ、できるだけ明るい内に下れるだけ下ろうと出発した。
意外と足の痛みなどなく快適に下ることができた。
そして下る徳ちゃん新道からは夕暮れに葉を落とした木々の間から鶏冠山のシルエットが浮かぶ。
目の前には赤く染まった富士が悦ぶようにシルバー三人組を見送っていた。
5時を過ぎるとさすがに暗くなり目の前を鹿が横切った。
これは動物が気づくためにもヘッドライトを付けた方が良いだろうと装着した。
落ち葉で踏跡が見にくいところもあり、慎重に下った。
真っ暗な徳ちゃん新道登山口に着いたのは6時30分頃。
後は林道を進むだけで無事下山と思うと満足感があった。
記憶に残るだろう山梨百名山82座目が鶏冠山になった。
あとは危険な山、ハードな山もなく楽しくハイキングができそうだ。
ふるちゃん
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