2015年08月25日

笠ヶ岳

2015(平成27年)8月23日(日)~24日(月)


○クリヤ谷経由の笠ヶ岳山行
○雲間からの槍・穂高の絶景
○ブロッケンの一瞬
○お花畑
4点が主なめあて、感動であった。

新穂高・中尾高原口よりクリヤ谷経由で笠ヶ岳を目指す。
笠ヶ岳山荘に泊まり、抜戸岳・弓折岳を登り新穂高、中尾高原口まで徒歩
で ぐるっと笠ヶ岳周回。

<1日目>
駐車場にはすでに数台の車。
薄暗い中、槍見温泉へ向かう。
槍見温泉の前で登山届を出し、登山道に入る。
薄暗く、じめじめした登山道をひたすら上る。沢の音が常に響き、最初のクリヤ谷を渡る場所に出る。
今回ここが私にとっては最難関だった。滑りそうな石から石へ飛び移る。
渡れそうだったので飛んだのだが、ぼちゃぼちゃと水の中を歩けば問題はない水量ではあった。
これ以上に水量があれば危険個所だろう。
後は3回渡るところがあったが、問題なく渡ることができた。
錫杖岳への登山者の方がいて、錫杖沢方面へ入って行った。かなり難しいルートと思われる。
笠ヶ岳へも、濡れた笹に覆われた細い登山道は急登で滑る岩も露出し、注意力が必要で、かなりの体力を必要とした。
そんな時、水場と野イチゴ、ブルーベリーもどきが口の中を刺激し、力を出させてくれた。酸っぱく、ちょっと苦みもある。殊に野イチゴの巨大さにびっくりでもあった。
沢が多いので水場はたくさんあるのだが、いわゆる最後の水場と言われるのが、どこなのか明確でなかった。
標識がなく、地図を頼りにおよその位置を確認しながらの山行になる。
したがってクリヤノ頭、雷鳥岩もこれだろうと思い記録したところがある。
私の思う、クリヤノ頭、雷鳥岩を過ぎると雲間から笠ヶ岳の大きな山容がうかがい知ることができた。遠くとも山頂が見えてくると元気も出る。


大きな滑る岩を慎重に進み、笠ヶ岳本峰への稜線にたどり着く、目の前にはさらに大きな岩が折り重なるように迫ってくる。
そんな中、慎重に登り思っていたより早く山頂到着。
雲がかかり展望はほとんどなかったが、今日歩んで来た稜線は振り返ることができた。長く険しい登りであった。
石の敷き詰められた山頂には祠もあり、今日の山行のお礼をしてきた。
今日は山頂直下にある笠ヶ岳山荘へ泊まる。
山荘に入り一休みした後、真上に青空が広がり始めた。
そうこうしているうちに、槍・穂高が雲の合間にその姿を現したのだ。
動く雲の中からごつごつした槍・穂高の素晴らしい姿が顔を出す。
感激のひと時だ。小屋の中から外に出てカメラを構え歓声を上げる人までいた。供えられた望遠鏡からは槍に登る人まで見える。


28年前の笠ヶ岳も夕刻に槍・穂高が見渡せた記憶がよみがえってきた。
長野県側からは逆方向に槍・穂高が並ぶ。どちらから見ても槍・穂高は見応えのある山容に違いない。今回も逆転ホームランの形で絶景を楽しむことができ、山行の喜びを得ることができた。

<2日目>
ガスが取り巻き、視界がない。
それでも真上にはうっすらと青味のかかった空が。
出発すると雲がさっと引き青空が広がり、槍・穂高の山容が見え始めたのだ。


さらに雲には朝日が差しオレンジ色に輝く。オレンジ色の雲の中に槍・穂高が浮かぶ。幻想的な光景が次々と起こる。光が差し込む山肌。湧き上がる雲に躍動感、力強さが増す槍・穂高の峰々。


そして一瞬ではあったが、ブロッケン現象。


光の指す角度、雲のカーテンが整ったのだ。しかしそれはあっという間であった。笠ヶ岳の雲は完全にとれ、青空の中に笠ヶ岳がくっきりと現れ始めた。
また、焼岳・乗鞍岳・御嶽山と火山が3山並ぶ。
この8月の初旬に登った薬師岳・黒部五郎岳も肩を並べて堂々としている。
とくに抜戸岳山頂からは、360度の展望を楽しむことができた。
槍・穂高のシルエット。湧く立つ雲の躍動感。しばし景色に見とれる場であった。


ここは山道から少し外れていることもあり静かなところだと感じた。
朝の清々しい稜線を歩き弓折岳を目指す。
まずは秩父平、ここのすばらしさは秩父岩の荒々しさとお花畑だった。


千畳敷カールに似たところもあるが、背景に槍・穂高が見渡せるところがひと味違うところか。
雪渓もあり、さまざまな花に彩られていた。絶景の場所に入れたい。


弓折岳はそれにしても遠く感じられた。登り下りを繰り返し、ようやく辿り着く。山頂は湿原、雪渓、お花畑が広がる広場になっていた。ちょこんとその広場から飛び出た山頂は目立たない。通り過ぎてしまう人もいる。
ここから下ったところが、弓折乗越。
ここから先は、ただただ下るのみ。
鏡平で牛丼900円とコーラの炭酸で力をつけ足元に気を付け下った。
新穂高到着からは、無料駐車場を通り、車道を出発点へと向かった。
スノーシェイドの中は暗く、車にちょっと危険を感じ進んだ。グリーンベルトがあるので、時に歩く人もいるのだろう。
とうとう中尾高原口駐車場に到着。周回コースの完成。

ハードな行程ではあったが、横尾高原口からの笠ヶ岳が達成できたこと。
様々な絶景に出会えたこと。
素晴らしい2日間となりました。

ふるちゃん
  


Posted by ふるちゃん at 12:06Comments(0)三百名山

2015年08月19日

長峰山・光城山

 2015(平成27年) 8月18日(火)

安曇野の展望 長峰山・光城山周回


薬師岳から10日がたち、久しぶりの山へ

お盆、そして長野県の小中学校の夏休みも終わる。

青空も見え、静かな山を期待して

10:30 思いっ立って長峰山・光城山へと出発

11:00 光城山の駐車場

数台の車が止まっていた。


この時間、ちょうど下ってくる方も何人か見られた。

何度か登っている山だが、
今日は、初めて長峰山へ登り、光城山から下ることにした。

光城山の駐車場から麓の道を長峰山の登山口へと向かう。

趣のある家並み、そして石仏(道祖神)等も見られ



夏の暑い日だが、楽しく歩ける。

本来ならば北アルプス、常念山脈なども見られる道なのだが

今日は、雲がかかり顔を出してくれない。

11:30 長峰荘 ここから長峰山への登りが始まる


12:40 長峰山 山頂着 933m

パラグライダーの離陸場所として使われていた板組の施設に腰を下ろし

安曇野を眼下に、展望を楽しむ

高瀬川・穂高川そして犀川の合流地点が眼下に広がる。

本来ならば、背景に北アルプスの雄大な眺めもある。

山頂に建つ立派な展望台にも上り、360度の眺望を楽しむ。

正確に四方の山名が書かれた案内板もあり、山を知るにはとても役立つ。

ここから、遊歩道、車道を使い光城山へ

12:30 長峰山発

13:00 光城山着 912m
src="//img01.naganoblog.jp/usr/f/u/r/furuchan/%E9%95%B7%E5%B3%B0%E5%85%89%E5%8C%97%E5%9B%9Esk26k.JPG" alt="" title="" >
古峰神社がある、城跡。

戦国時代、光之六郎幸元が築城して、のちに武田氏に敗れたとある。

春には桜並木が麓の駐車場から山頂まで続き美しい。

麓の豊科付近からは桜の道がくっきりと浮かび上がる。

今は緑が濃く、セミはうるさいが日陰になる山道は清々しい。

秋の紅葉も楽しみな山並みだ。

13:10 北回りの山道を下り元の駐車場へと


駐車場の山側には さくら池



13:40 駐車場着

久しぶりの、トレーニングを兼ねた山へ
2時間少しで周回でき、ひと汗かくことができる。

我が家から持って行ったトウモロコシを長峰山で食べる。
実も柔らかく、甘みがあり
山のお昼にはもってこいだった。
自分の好みのものを持ち気楽に登れる山
長峰山・光城山は良い。

実はどちらの山も車で行けます。

ふるちゃん




  


Posted by ふるちゃん at 10:17Comments(0)三百名山以外・里山

2015年08月09日

扇沢~室堂~薬師岳・黒部五郎岳・三俣蓮華岳~新穂高へ

2015(平成27年) 8月4日(火)~7日(金)

扇沢~室堂~薬師岳・黒部五郎岳・三俣蓮華岳~新穂高へ

<1日目>8月4日(火)
地元といってもいいお隣の富山県の山だが、奥深い山域を目指す。
扇沢より室堂に入る。
室堂から雄山はじめ立山の峰々が青空にくっきり浮かぶ。
気持ちよくスタートを切る。

一ノ越から室堂の眺望

一ノ越までは雄山を目指す登山者や観光客が多い。
一ノ越の先は人も少なくなり静かな山行となる。
立山カルデラの上に広がる五色ヶ原はすでに見えているが遠い。

その先には目指す薬師岳の姿も確認

鬼岳付近には残雪が残り注意しながら進むところもあるが、天気も良く問題なく通過できた。
進む左手、東側には針ノ木岳などの稜線が黒部湖より立ち上がっている。


後ろを振り返ると雄山が雄大な姿を見せている。


獅子岳へ登頂。五色ヶ原そして山荘が大きく見えている。
その先には、遠く今回目指す薬師岳が望める。
獅子岳から先はザラ峠へ下り、カルデラ脇の険しい登山道を五色ヶ原へ。
池塘、湿原の広がる間を抜け、宿泊する五色ヶ原山荘へと到着。


五色ヶ原山荘、びっくりしたのはお風呂!
大人6人は湯につかることのできる湯船。
疲れも取れ、リラクッスすることができた。
6畳に5人。隣には兵庫県から見えた楽しい方。
この方とは薬師小屋山荘でもお隣で眠った。
その他87歳の方71歳の方。
皆さん元気がいい。そして山に詳しい。
沢山刺激をもらい、これからの山に向けても力が涌いた。
その夜の食事は…。

<2日目>8月5日(水)
今日が、私にとっては勝負の日。
朝4時には出かけようと決め、ほぼ予定通り山荘をライトをつけ出発。
木道にライトを照らし、慎重に歩む。すでに出発した人もいた。
今日の行程は、スゴ越え目指す薬師岳への登頂。
そして、薬師岳山荘までの12km、10時間以上の行動予定だ。
鳶山を過ぎたあたりでご来光を仰ぐ。オレンジ色に染まる山々が美しい。


越中沢岳に登るとぐっと薬師岳が迫り、その手前にスゴの小屋も見える。
後ろを振り返ると立山が遠くシルエットになって浮かぶ。
越中沢山の下り、足元に雷鳥が。
親鳥が山道の砂地を掘っている。
その周りにひな鳥が5羽ちょこちょこと動き回っていた。
親鳥の人を恐れない堂々とした動きとヒナの幼い動きにしばし見とれた。


スゴ乗越小屋ではCCレモンとカップ麺そしてリンゴジュースでエネルギーを得て、薬師岳への岩場の急登へと準備ができた。
この時点で、予定していた時刻より早いこともあり、余裕をもって行動がとれたのも良い結果に結びついていった。
間山に差し掛かると雲が出始める。
しかし後は薬師岳への登りだけとなり、最後の力も出た。
北薬師岳に到着。


眼下には薬師の壮大なカールが広がり、薬師岳山容の大きさが圧倒的に迫っていた。
そのカールの淵を慎重に上り詰めると薬師岳の山頂が待っていた。
とうとう今回の目標、薬師岳への登頂


山頂には薬師堂があり、早速今回の登頂の喜びと家族の安寧をお祈りした。
山頂からは正面に雲がかかるものの赤牛岳を見ることができた。
私にとって最後に残った北アルプスの領域になる。
次には登らせてもらいたいという気持ちも沸いて出てきた。
山頂近くには、避難小屋と愛知大学の遭難の碑が建っていた。
最後の薬師岳山荘への滑る下りに注意しながら山頂を後にした。

薬師岳山荘
受付をするとお茶が出され、美味しくいただくことができた。
食事は美味しく、布団一枚に休むことができた。
ただし、水がない小屋でそこはお金を出すしかない。
夕刻、少量の雨が降る。今回の山行ではこの数分の雨だけで、本当にラッキーな4日間となった。

<3日目>8月6日(木)
今日のメインは黒部五郎岳だ。
最初の登頂では、山頂が完全に雲の中に入り周りが何も見えない状態だった。
そこで今回は少しでも視界があればと願っての黒部五郎岳への2度目の登頂を目指す。
薬師岳山荘から薬師峠までの下りは思っていた以上にきついものがあった。
しかしここに美味しい水場があった。
黒部五郎岳への登りには水場はなく、ここで美味しい水を満たしていった。力水になった気がする。
太郎平小屋・太郎山通過
北ノ俣岳の大きな山容が目の前に広がる。


緩やかな登りで、薬師岳が遠のき、黒部五郎岳が近づいてくる。
北ノ俣岳山頂近くはハクサンイチゲの白い花の絨毯状態。
振り返ると薬師岳がその絨毯に寝そべっているかのようだった。


赤木岳を過ぎ中俣乗越を過ぎると黒部五郎岳への急登が始まる。
ここで時間は早かったが昼飯にし、登りへのパワーを充電した。
これが良かったのか、ほとんど疲れることもなく楽しい急登を味わうことができた。
黒部五郎岳の稜線に出ると少し雲が出て視界が良くない。
また前回と同じ雲の中の黒部五郎岳かとちょっと力も抜けた。
山頂についても雲がかかり、またかという思いでとりあえず山頂の写真を収めた。


ところがしばらく待つと雲の動きがあり、カールが眼下に広がりそしてその先に鷲羽岳と水晶岳の姿が現れたのだ。
嫌われることなく山頂での一時を楽しむことができた。


カールの中を下山し黒部五郎小舎を目指す。
コバイケソウが美しく斜面に広がっていた。
沢の水は、美味しく、石の美しさもあって別世界の表情だった。

黒部五郎小舎
思いっきり混んでいました。
3人で2枚の布団です。
食事はここが一番だったかな。好みもあると思いますが。
さて、部屋はテントイレのにおいが漂う大変良い環境でした。
その中で布団番号9、10、11(私)13。4人。
大変気が合ってしまい一杯飲もうということになり、各々が山の酒「双六」を購入。


小舎の外で仲良く飲むことができた。
黒部五郎岳、笠ヶ岳に夕焼けも美しく、美味しく和やかな雰囲気を味わうことができた。


あっという間に暗くなり、その後消灯まではということで話は弾んだ。
とくにカール入り口付近にあった○○○の話が出た。
あれはすごい。20代か30代までの男の物だ。
太さ、形そして三色に色分けされていた。
今朝のものに違いない。
熊はティッシュをかけていかない。それにしても立派。
それにしても場所が通り道。相当に切羽詰っていたのだろう。
様々な想像をめぐらし、部屋中が腹を抱えての大笑いの就寝となった。
興奮したのと、狭さにじゅうぶうな睡眠はとれず次の朝となった。

<4日目>8月7日(金)
今日は三俣蓮華岳、双六岳を経由して下山するだけ。
昨日の4人で楽しく過ごすことができたことに礼を言いそれぞれ分かれていった。
その中で私を入れた3人は三俣蓮華岳方面までは一緒に歩みを進めた。
今日も最高の天気!
黒部五郎岳に朝日が当たり山頂がオレンジ色に輝いていた。


三俣蓮華岳では、今回の目標薬師岳そして黒部五郎岳がその美しさを増していた。
二つの峰が肩を並べるようであった。



そして、今回私の歩いてきた立山一ノ越から薬師岳、黒部五郎岳までの道のりを振り返ることができた。
さらに槍ヶ岳、穂高岳の稜線が逆光でシルエットになり険しい稜線を見せつけていた。
4日目のフィナーレを飾るにふさわしい三俣蓮華岳の山頂となった。


双六岳からはサッカー場とも言われる山容の先に槍が飛び指す様が見られ
気持ち良く下山を開始した。
でも長い新穂高までの道のりは変わらなかった。

百名山の87座目になる薬師岳に登れた。
様々な出会いもあり、勇気やこれからの山への向き合い方なども考えさせられた。
長野県に住んでいると、私だけだろうが、とかく日帰りの登山が多くなっていた。
しかし、山を楽しむためには山中泊の良さを改めて思った。
これからは時間もある。自分の山だと持っている燕岳、常念岳、蝶ヶ岳を見直すためにも山泊を計画していこうと思う。

ふるちゃん
  


Posted by ふるちゃん at 09:55Comments(1)三百名山