2023年11月09日

燕岳 北燕岳 絶景!

2023年(令和5年)11月8日(水)

燕岳 北燕岳 絶景!




https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6160254.html

槍と眼鏡岩


快晴が期待できたので今シーズン2回目の燕へ。
三百名山を完登しても、まだまだ体力は維持しようとの思いも強い。
トータル34回目の燕岳は、今までに無いほどのクリアーな絶景だった。

今シーズンの気候、最近の気温から雪は無いだろうと思うが軽アイゼンだけはザックに入れた。
大丈夫だろうと思っても、部分的な雪、凍った斜面など何度か痛い目に遭っているのでこの時期必携だ。

槍とイルカ岩


日の出前の中房も寒くはなく、ウインドブレーカーなど着ることもない気温。
中房で気温は6度前後だった。
紅葉は終わり、すっかり初冬の気配だが空気が心地よく吸える。

くっきりと景色が見られ、今までに無い鮮やかさを感じたのは合戦小屋に近い登りから見た大天井岳だ。
青空に稜線がはっきりと見え、大天井小屋もはっきりと見られた。
そして槍見ベンチ付近からの槍の姿だ。
うっすらと雪がつく槍、小槍が真っ黒に青空にシルエットになっていた。

燕岳稜線に出るのが楽しみになり進む。
雪があってもいい最後の登りには霜柱こそ見られたが雪は無し。
道も乾いているところが多くスムーズに登ることができた。

燕岳・燕岳稜線


うっすら汗をかき稜線に着く。
やはり何時も最高の気分にさせてくれるのは、稜線にたどり着くなり広がる槍から裏銀座への大展望だ。
全く雲の無い絶景!
来て良かったと何時も思うのはこの瞬間だ。

燕岳2763m弐七農園のシナノスイート 立山・針ノ木など


すべて素晴らしい景色だが、やはり槍が中心となる。
槍と穂高、槍と笠ヶ岳、槍と岳樺の白い幹、槍とイルカ岩、槍と眼鏡岩など。
裏銀座の烏帽子、野口五郎岳、水晶、鷲羽岳などの稜線もスカイラインがきれいだ。
遠く立山雄山、後立山鹿島槍・白馬方面は雪被る峰々が見られた。
長野県側には漂う雲海に有明山が浮かび、富士山を挟んで八ヶ岳、連なる南アルプスまで眺められた。
そして頭だけ頸城山系の妙高、火打そして焼山が展望できた。

眼下に有明山 遠く八ヶ岳・富士・南アルプス


初冬になっても女性の姿が多い。
北海道出身、秋田から来たという方は大天井でキャンプ泊とのこと。
燕の絶景に魅せられた方もいて、北岳からの展望が一番と思っていたが改めなければならないと話してくれ嬉しくなった。

私自身全国の山を巡り、この燕・常念そして蝶ヶ岳が登る楽しみ、景観の素晴らしさから他を寄せ付けない魅力ある山域と思っている。
と言うことで、今日も絶景を楽しむことができた。


ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 18:00Comments(0)三百名山

2023年11月04日

三百名山301座完登 塔ノ岳・蛭ヶ岳・檜洞丸

2023年(令和5年)11月2日(木)3日(金・文化の日)

三百名山301座完登 塔ノ岳・蛭ヶ岳・檜洞丸




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ダイヤモンド富士 蛭ヶ岳より


本格的に三百名山を目指し始めたのはリタイアしてからだ。
9年目、古希を前に達成しようと、昨年度から今回の丹沢での完登を考えていた。
この10月後半、ギリギリになったが天気にも恵まれ東北に残っていた焼石岳・和賀岳・神室山を登り、計画通り丹沢山行を迎えることができた。
完登に相応しく「ダイヤモンド富士」も自分への褒美として添えてみた。

三百名山への歩みとしては、登り始めた前半は山の師匠・同僚でもある方と同伴することが多くあった。
しかし腰を悪くした同僚、同行すること思うようにならず、その後ほぼ一人での三百名山への歩みとなった。

丹沢には山仲間が5名同伴してくれることとなった。
単に丹沢を登るならば一人でも良かったが、「ダイヤモンド富士」は魅力があり、仲間の同伴も叶ったか。

バカ尾根 大倉尾根の木段


大倉から塔ノ岳・丹沢山・蛭ヶ岳そして檜洞丸へ、下山は西丹沢へ
バカ尾根とも呼ばれる大倉尾根を登る。
良く整備され広い登山道が続いた。
小屋や茶屋なども見られたが平日ということで休みのところが多かった。

まずは木段の多いこと、登山者が多く道や食草を守るためだが登る者にとっては難敵だ。
登り下りそして尾根道、どの山にも木段、木道がかなり設置されている。
安心して歩けるものの単調な歩きになり、同じ足の動きが多くなりきつい。
その結果、筋肉痛、そして足が痙るということが起きやすい。

尾根からは秦野の街、相模湾、そして江ノ島なども見られた。
さらに塔ノ岳方面、雪被る富士山も霞むが姿を現わしてくれた。
愛鷹山の長い稜線、箱根の神山・大涌谷の噴煙まで遠望できた。

三百名山完登


丹沢の中でも三百名山に挙げられている塔ノ岳に登頂。
夢から目標へとなった三百名山完登の瞬間だ。
家族、山の師匠・同僚そして山仲間に支えられ成し遂げられた。
時間をかけ、正直お金もかかり、運にも恵まれていたと思う。
様々な思いもあるが喜び、満足感、達成感だろうか。

登る際に多くの登山者が我々を抜き去り、山頂はその方々で賑わっていた。
ここでサプライズで頂いた「三百名山完登」の記念をかざし写真撮影
嬉しいことに、近くにいた方も驚き祝ってくれた。

蛭ヶ岳が見えてくる


このように山での撮影会は丹沢山、蛭ヶ岳でも嬉しさのあまり行った。
ちょっと恥ずかしさもあったが、こんな時はないだろうとはしゃいだ。
蛭ヶ岳ではスタッフの方も知ってか、夕飯時に「三百名山完登」のことを宿泊者に話してくださり皆さんに思いがけない拍手をいただくこととなった。

自己満足の世界だったが、皆さんに祝っていただけ幸せな自分がいた。
サプライズの記念品がなければここまで「三百名山完登」を祝われることもなかっただろうに山仲間には心より感謝しかない。

蛭ヶ岳1673m丹沢最高峰 富士に太陽が近づく


今回のメインは「ダイヤモンド富士」でもある。
感激!感動!の一言。
4時30分頃だろう。
太陽が富士山山頂に近づき沈んでゆく。
ピカッと一瞬山頂より光を放ち、オレンジ色の世界を広げた
正にダイヤモンドの光なのだろう輝き、まぶしかった。

夕焼けが広がり、オレンジ色の世界に富士山が浮かぶ。
一刻一刻その様子を変化させてゆく。
一時間以上、富士を眺めその姿に魅了され続けた。
いつまで眺めていても飽きないとはこのことか。

富士の夕焼け 


翌朝の富士山も美しかった。
朝焼けでピンク色に染まってゆく
オレンジ色の空を背景に、富士山のすそ野からはピンク色の光が差し始める。
徐々に薄いピンク色がわずかな時間だが山肌を染めて行くのだ。

朝 ピンク色に染まる富士山


そんな富士山にも光が差し、雪被る姿を眺めつつ檜洞丸へと向かった。
上級者向けの登山道ということで慎重に下る。
檜洞丸へも起伏の大きな道のりが長く厳しく待っていた。
ほぼ4時間かけて、今回最後の丹沢ピーク檜洞丸へと登頂できた。
富士山に一歩近づき、輪郭のくっきりとした富士山を青空をバックに眺められた。

檜洞丸1601m付近から富士山


ここからは急下降。
長い下りが延々と続き西丹沢ビジターセンターへと無事下山。
大倉登山口からほぼ23kmの丹沢主稜線を歩き通すことができた。
「三百名山完登」「ダイヤモンド富士」「丹沢主稜線縦走」充実した山行となった。

ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 15:49Comments(0)三百名山

2023年11月01日

神室山 300座目/三百名山 パノラマコース往復(秋田・山形)

2023年(令和5年)10月27日(金)

神室山 300座目/三百名山 パノラマコース往復(秋田・山形)




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神室山1365m山頂 


三百名山(荒沢岳含む)300座目となる神室岳
あと1座、丹沢塔ノ岳で完登ということで慎重になった行程。
焼石岳では滑る沢に苦労し、和賀岳では笹でびしょ濡れ状態、今日は天候の悪化が懸念され、西ノ又コースの沢歩き徒渉回避で、快適という尾根・パノラマコース往復と決めた。

パノラマコース 急登中の急登 ざんげ坂


役内登山口の駐車場には、昨日もすれ違った京都の女性の車が止められていた。
私の方が先に出発したかと思っていたのだが、何と前神室山からの下りで
西ノ又経由で下ってくる女性と出会った。
天気が心配で早めに出発したとのことで、私よりも早く出ていたのだろうが、それにしても健脚だ。
車中泊をして明日は焼石岳と言っていたので、中沼登山口の情報を伝えるなどしてあげたが、私と同じ三百名山を目指しているのか聞くこともなかったが、単独車中泊での東北山旅を楽しんでいるようだった。

急登・紅葉真っ盛り


山頂までの距離は長いが、標高は低く、尾根道だから起伏は多少あるが差ほどきつくないだろうと登り始めた。
ところが登り始めから急登が続く。
先が見えないほど直登・急斜面が待ち構えていた。
ブナなどの紅葉は盛りで、景色に力を得て登り続けるのだが、濡れた葉、滑る根に、そして粘土質の土に苦労する。
下山は手強い、それでも沢を歩くよりも安心だろうと登り続けた。

ようやく傾斜が緩み、いっぷく平で一呼吸入れて登り再開。
平坦部は少なく起伏の大きな第1ピーク、第2ピークそして第3ピークと登り下りが続いた。
また登りだ。目の前には前神室山がどんと聳え立つ。

前神室山から神室山 まだ遠い


前神室山へとようやくたどり着くが、目指す神室山は遙か遠くに。
避難小屋が建つのが見られ、その稜線の先が山頂になる。
まだ天気は持ちそうなので、雨が降り出さないうちに山頂へと向かう。

神室山の山頂が確認できてからも長い道のりは続くが、徐々に山頂が近づくことに気持ちは楽になる。
最後の登りには岩場もあり慎重に通過して山頂へとたどり着いた。
360度のてっぺんだ。
曇り空だが遠くの大きな山並みが目に入る。
方向からして栗駒山などが見えていたのだろう。
雲海が秋田側の低山の中に入り込む絶景も見られた。

もうすぐ神室山山頂 小屋が見える


登頂の喜びは格別。
下山時、ちょっと気が緩んだのか粘土質の土で滑り後ろ向きに転倒。
左肘を少し擦りむいてしまった。
以後集中でき、雨に降られることもなく、濡れていた道も乾き始めさほど苦労することなく無事下山した。

三百名山完登にあと1座。
11月「ダイヤモンド富士」を見ながらの丹沢へと計画。
古希を前に301座目、三百名山完登を目指す。


ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 20:00Comments(0)三百名山

2023年10月31日

和賀岳 299座目/三百名山 薬師岳登山口より(岩手・秋田)

2023年(令和5年)10月26日(木)

和賀岳 299座目/三百名山 薬師岳登山口より(岩手・秋田)




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和賀岳1439m山頂から田沢湖・秋田駒ヶ岳


数年前も登ろうとした和賀岳だったが、林道が途中で通行止めになっていて引き返している。
今回は薬師岳登山口までダートだが良く整備された道を問題なく進み、きれいな小屋の建つ薬師岳登山口から歩き始めた。

数分歩くと甘露水口、林道と分かれ本格的な登りとなった。
周りは紅葉真っ盛りで、天気も良いので日射しにブナの葉が黄金のごとく輝く。
ブナ平付近のブナの幹の太さは迫力満点だった。
次から次へと現われるブナの巨木には圧倒され続けた。

ブナの紅葉


倉滝はオアシス。かつて小屋があったと言うが跡形無い。
美味しい水が流れ、一息入れるのに絶好の場所だった。
下山時は顔を冷たい水で洗いリフレッシュ、最後の下山に集中できた。

稜線に出ると目の前に薬師岳の丸みを帯びた山頂が飛込んできた。
手前のピークを急登すると、目の前に和賀岳が初めて姿を現わす。
笹に覆われた薬師岳の山頂からはこれから進む和賀岳までの稜線が見渡せた。
長い稜線には小杉岳・小鷲倉のピークもあり簡単には着けそうにないのが分かる。

薬師岳山頂から和賀岳への稜線


笹での苦戦
薬師岳から薬師平へ下る気持ちよい稜線だが、笹が待ち構えていた。
まだ足下を覆う程度の笹で足下さえ注意して行けば問題なく進めた。
ところが徐々に笹の背は高まり、藪漕ぎ状態になる。
これは大変だ、前に思うように進むことができない状態が続く。

ところが小杉岳から先は笹がきれいに刈られているではないか。
歩くテンポも上がりこれならば和賀岳も近いと思った途端、再び小鷲倉への登りの深く重たい笹に苦戦。
露まで付いているので、全身びしょ濡れとなってしまった。
早めにレインウエアを着れば良かったのだが突然の笹の深みにはまってしまった感じだ。

小杉山から薬師岳方面


寒くもなく日射しもあるので直ぐに乾くだろうと着るタイミングも失っていた。
それでも山頂近くになり、深く重い笹の道を抜けたところで冷えても来たのでレインウエアをまとった。
濡れた服の上に渇いたレインウエアを羽織るという形になってしまったが身体が冷えるのは防げたように思う。
下山途中ではレインウエアを脱いで下山、すっかり下山時には渇いていた。

笹刈りは私が登頂した後に、二人の方が小杉山付近の続きを刈り始めていた。
どこかで顔を見たことのある方で、声をかければ良かったのだが挨拶したのみで通り過ぎてしまった。
「NHK日本百名山和賀岳」の案内人の方に違いないと思った。
多分秋田からの登山道を案内していたので、笹の刈払により安全な登山道確保に努めていたのだろうと推測した。

和賀岳


遠かった山頂に着く
幸せなことに360度の大展望が待っていた。
田沢湖が眼下に見え、秋田駒ヶ岳だろう山も近くに見られた。
そろそろ下山しようとしたとき岩手県側の高下から登って来たという方がいた。
岩手に移住してきたということで、和賀岳に魅せられ何度も登っているという。
写真も撮っていただき、自分がすでに登っている周囲の山々を教えてもらった。
太平山、森吉山、岩手山そして早池峰山など。
登った山にもかかわらず、分からないのにはもどかしいものがある。

和賀岳山頂


三百名山299座目となり、明日は神室山へ。
今回の日光女峰山、東北に入り焼石岳、今日の和賀岳、そして明日の神室山を最後に三百名山、301座完登にリーチがかかる。
明日は神室山へ無事登頂して帰りたいと思っている。

ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 06:00Comments(0)三百名山

2023年10月29日

焼石岳 298座目/三百名山 中沼登山口より(岩手県)

2023年(令和5年)10月25日(水)

焼石岳 298座目/三百名山 中沼登山口より



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上沼の紅葉


岩手県奥州市、胆沢ダム湖畔の397号から表示にしたがって尿前林道へ。
長いダートをゆっくり走らせ中沼登山口へと着く。
整備された広い駐車場、トイレも備わり、すでに2台の車も止められ安心して登り始める。
ただ天候は怪しくどんよりとした空模様だ。

露か雨が降ったのだろうか登山道は滑る
殊に木道が整備されているのだが、かえって濡れて滑る。
古いものもあり、不注意に踏み込むとバシャッとシーソーのごとく沈み跳ね返る。
斜めっているものもあり一歩一歩注意して進むので時間がかかった。

中沼 水面に雪の横岳と紅葉


中沼に着く。
風はなく鏡状態の湖面が迎えてくれた。
沼畔沿いに歩き紅葉と絶景を存分に味わう。
曇り空だがブナ林の紅葉が美しく、水面に少し雪被る横岳も映る。

さらに10分ほど登ると上沼(うわぬま)が現われる。
下山時には晴れ間も出て光が差したのでススキの穂が水面にも光り輝き、周囲の紅葉と相まって魅了される景色だった。
木道、沢の歩き、そして泥濘に辟易していたが、全て良き山行へと解消してくれた。

周囲の紅葉は美しいが難路が続く


心配していたのは雪。
前々日に寒波襲来で標高の高い所では雪が降り、焼石岳・横岳方面山肌にも白い物が見えていた。
姥石平手前から雪が見られ、登山道にも部分的に積もっていた。
泉水沼付近には凍り付いた道もあり気を抜き足を滑らした。
全般的には気温が高いので問題なく山頂へと歩けた。

心配していたのは天候。
銀名水辺りから小雨が降りだし、レインウエアを着て、ザックカバーをした。
たいした降りでなかったので全く問題なく山頂を目指すことができた。

泉水沼に移る焼石岳山頂


視界は良く泉水沼からはその水面に映る焼石岳の山頂部分も見られた。
そして奥州市の街もうっすらと眺められ、山頂への稜線に出ると秋田側横手市も眺められた。
幾重にも重なる山並みも眺望することができた。

焼石岳1548m山頂 奥州市方面展望


山頂は広く赤っぽい溶岩が多く見られた。
焼石と命名される所以か、火山ということが分かる。
360度の大展望と横岳など周りの山々、そして湿原の織りなす絶景は見応えたっぷりだった。

ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 09:33Comments(0)三百名山

2023年10月25日

女峰山 霧降より 297座目/三百名山

2023年(令和5年)10月23日(月)

女峰山 霧降より 297座目/三百名山




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女峰山2483m山頂 弐七農園のシナノスイート


1445段の木段で足がパンパン。
駆け上がる若者は日の出と朝焼けが目的のようだ。
オレンジ色の空に太陽が昇ってきた。
パッと明るくなり周りの紅葉に光が差し鮮やかさを増した。

下山時 階段から霧降高原の紅葉


賑わう階段の最上部展望だからは絶景が望まれた。
高原山の大きさが印象的。
宇都宮方面の街並みとその先には筑波山の双耳峰が眺められた。

赤薙山方面


赤薙山へ
笹に覆われた狭い登山道、あるいはつるつるの粘土質の沢状の道を登る。
周りはドウダンツツジの紅葉。
今年は猛暑のため茶色っぽく鮮やかさには欠けるが、遠目には山肌が赤く染まる。
急登が始まると段差の大きな木の根が現われる。
様々な通り道があり、右へ左へと上りやすいルートを見つけては山頂へ着く。
赤薙山からは目指す女峰山がまだまだ遠くに眺められた。

赤薙山からの女峰山 


ここから登ったのに下り、また登るの起伏あるコースに入る。
奥社跡、一里ヶ曽根のピークを越えて行く。
徐々に女峰山が近づくのにエネルギーを得て先に進む。
稜線からの展望は良い。
遠く富士山が眺められる
越後方面の山は雪をかぶり、尾瀬そして会津駒ヶ岳等が眺められていることを、すれ違った方から聞くことができた。

一里ヶ曽根からの女峰山


最後の登りは岩場もあり厳しい登り。
ガレてもいて慎重に登ることになった。
奥社の祠が見え、その上が山頂になる。
360度の大展望が広がった。

男体山・大真名子・小真名子・帝釈山


目の前には男体山・大真名子山・小真名子山・ 帝釈山そして太郎山。
その先には火山の白根山の山肌が荒々しく見られた。
霜降高原から登ってきた起伏ある稜線が延びる。
越後、会津方面そして尾瀬の山並みも展望できた。

三百名山297座目となった。
残るは焼石岳、和賀岳、神室山そして丹沢山となった。
天候が心配だが女峰山に続き東北へと向かう。

ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 06:30Comments(0)三百名山

2023年10月17日

箱根山 駒ヶ岳・神山・冠ヶ岳 296/301座(三百名山)

2023年(令和5年)10月16日(月)

箱根山 駒ヶ岳・神山・冠ヶ岳 296/301座(三百名山)




https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6061929.html

駒ヶ岳より富士山と神山


立ち入り禁止中の登山道ということで、入山をためらっていたが、今シーズン中に301座登りきりたい思いもあり箱根山を目指した。
入山禁止だからロープウェイで駒ヶ岳とも思ったのだが、景鶴山同様入山している方も多いので自己責任で思い切って神山を登ってきた。

なお浅間山は若かりし頃、まだ禁止条項が甘かったのか火口縁を一周している。
完全に登ってないのが桜島、麓まで行き登ったこととしている。

防ヶ沢の登山口ゲート付近が笹に覆われていたので、露対策でレインウエアの下だけ履いて登り始めた。
わずかばかり進むと全く笹も見られず快適な登りではないか。
さらに新しい木で階段が整備されている所が多く見られる。
これは問題なく行けるかと思いきや中間部を過ぎてから笹が進路を塞ぎだした。

最初は快適だったが笹が徐々に現われる


背丈ほどある笹の露でレインウエアのパンツびしょ濡れ、かき分ける長袖もびしょ濡れ状態。
滑る木の根、段差にも気をつけてゆく。
すると下ばかり向いていると、横枝の急襲でゴツンと頭を打つ。
倒木もあり潜ったり跨いだりの障害物競走が続いた。
天気も良いので楽しむしかないと思い笹のラッセルを繰り返した。

笹の多いのは分岐手前の30分ほどと、神山への中間部登りが難敵だった。
それでも慣れてしまえば男鹿岳や笈ヶ岳に比べれば全く問題なく通過できた。
下部の整備のされ方、硫黄臭も全くなく勝手にそろそろ登山道の解禁も近いような気がしている。

芦ノ湖


駒ヶ岳ではロープウェイ営業前ということで、山頂を独り占め
快晴のもと斜めに雪をかぶる富士山がくっきりと見られた。
眼下には芦ノ湖の深い緑とカルデラをなす山々の景観。
相模湾、江ノ島そして丹沢山系のスカイラインが美しかった。
試運転の始まったロープウェイを見送り神山へと向かった。

ロープウェイ駅・富士・駒ヶ岳


駒ヶ岳から1時間ほどで笹をかき分け、少し道に迷いながらも神山到着
登山道通行解禁を待てずに登ってしまったが、三百名山301座中296座目となった。
一等三角点が立派だ。
展望は樹林に囲まれ無いが樹間からすでに雲がかかり始めた富士山が眺められた。

296座目の神山・箱根山最高峰


冠ヶ岳へとも思い進む。
思っていた以上に急下降する。
目の前に富士とツーショットの鋭角的な冠ヶ岳を展望し下る。
鞍部から大涌谷方面へ行き戻るように尾根を登り始める。
鋭角的な割には、登りは差ほど険しくない。
途中白い社が建ちその先、冠ヶ岳山山頂へと登り詰めた。
展望はほとんど無いが、樹間から眼下に大涌谷が見られ、ゴーゴーと音を立てる噴気の煙が見られた。
全く硫黄臭はなく、冠ヶ岳と神山間は笹にも襲われず急斜面だが快適だった。

冠ヶ岳と富士山


箱根山の駒ヶ岳、神山そして冠ヶ岳を登り三百名山完登に一歩近づいた。
残る5座、女峰山、和賀岳、焼石山、神室山そして丹沢山になる。
今シーズン中には丹沢山を最後に、登りきりたい思いが強い。
今の夢は丹沢山でダイヤモンド富士を眺め、三百名山を完登することだ。


ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 11:14Comments(0)三百名山

2023年10月07日

小太郎山 山梨百名山完登&北岳

2023年(令和5年)10月5日(木)6日(金)

小太郎山 山梨百名山完登&北岳




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前小太郎山からの北岳


小太郎山を登り、「山梨百名山完登」を目指した
山の師匠S氏のおかげで山梨県の山へ知らず知らずのうちに多く登っていることが分かり、地元信州百名山完登の次に大きな目標となっていた。
富士山展望の山が多く、高山から低山まで良く整備された山が多い。
完登への最後の山となったのが小太郎山。

今回同行してくれたのはN1氏、N2氏、N3氏。
山梨百名山の四天王の一座鶏冠山を一緒に登ってくれたN1氏、N3氏も快く、私のわがままにお付き合いしてくれた。
N2氏は初めての3000m級の山。そして久しぶりの山とのことだったが急遽参加してくれることとなった。
日々1万歩のトレーニング、そして登山靴まで新調しての参加だった。

小太郎山へ 甲斐駒の下に


まずは2日目に延期した小太郎山について。
北岳から下山、小屋で朝食弁当をいただき小太郎山への分岐まで下る。
二日目の今日は快晴、気温も朝に比べると日が射し徐々に暖かい好条件に恵まれた。
風も穏やかになり心地よいぐらいになっていた。

前小太郎山から仙丈ヶ岳


小屋から下る道より眺めると、甲斐駒ヶ岳の手前にもっこりと鎮座し、少し稜線を歩めば山頂を踏めそうに思えた。
分岐からは一気に下る。
思っていた以上に下り、また登る。かなりの起伏にがあるのに閉口。

そしてその起伏も岩稜帯が多く慎重に進む。そしてガレ場もあり我々にとっては難しいコースだった。
ハイマツだけに苦労するだけだろうと思っていたのが大違いで悪戦苦闘。
目の前に見える白い岩のピーク、トラバースかなと思いきや岩場の直登。
ポールを置き、四つん這いになり登ることととなる。
着いた山頂は前小太郎山。

鳳凰三山


まだ先は長かった。
ただ展望は良く振り返ると迫力満点、ピラミダルの北岳
仙丈ヶ岳も大きく迫る。真っ白な甲斐駒ヶ岳の三角錐も徐々に近づく。
鳳凰三山から早川尾根も間近に見られるようになった。
長くきつい稜線の先、終点が小太郎山山頂になる。

山梨百名山完登アーチ


とうとう山梨百名山完登。
鶏冠山同行の2人がアーチを作ってくれその中を山頂へ。
積み重ねてきた山梨の山々のことを思い返し小太郎山に足跡を残した。
目標を達成した喜び、満足感、360度の景色を望み心地よい安堵感も得られた。
山に感謝。支えてくれた方へ感謝。そして自分の健康にも感謝だ。

北岳肩の小屋から 朝焼け富士山


北岳へ
小太郎山登頂前日は強風が吹きまくる中、肩の小屋に着いた。
本来は小太郎山に登り、肩の小屋の予定だったが、あまりにも強風に、そして靄る天候に翌日へと小太郎山は延ばした。

強風は一晩中吹きまくる。
ただ夜中にトイレへ外に出ると甲府盆地の明かり、空にはオリオン座など星が見られ、遠くの山並みも見られる天気になっていた。

朝焼けに富士山が浮かぶ、そして御来光も拝むことができた
空は快晴。真っ白に霧氷、霜が降り、地面の水たまりは凍り付いていた。
天気は良いが強風と寒さの対策、完全防備で登り始める。

樹氷の中 目の前の北岳山頂へ


北岳への最後の登り、稜線には猛烈な風、そして寒さが襲う。
指先は麻痺してくるし、顔面も凍り付きそうだった。
それでも周囲の景色に励まされ登り続ける。
草木に樹氷、岩に霜が模様を描き、太陽が差し込むと輝く美。

寒さ、強風に耐えに耐え日本第2の高峰山頂へ。
あれ!穏やか。寒さを感じない。
山頂は不思議なことに風もなく何時までも入られるほどの快適さ。

北岳山頂から間ノ岳方面の3000m稜線


富士山も目の前に見られる。
他の山々を見下ろす絶景が広がっていた。
間ノ岳方面の3000mの稜線が延びる山並み。
仙丈ヶ岳、甲斐駒ヶ岳の稜線、鳳凰三山も従えるがごとく眺められる。
中央アルプス、八ヶ岳なども遠くに。
そして目指す小太郎山も甲斐駒ヶ岳の麓にあるがごとく望めた。
大満足の北岳山頂となった。
風も徐々に納まり、日射しと共に気温も上昇してきていた。

ブロッケン


ハプニングも
靴底の破損N3氏、お子さんの古い靴の方が良いかと履いてきたそうだ。
登り始めると靴底が剥がれてきた。
補修に補修を重ね、最後は靴が脱げないまでにして小太郎山を登攀した。
ところが今度は右靴の底も剥がれる。
補修することもできずに底を取っての下山となった。
滑り止めはなくなり、薄い靴底状態で何とか下りきった。
明日は我が身、今回のN3氏の教訓を生かしたい。

足が笑うN2氏。
初めての3000m級、それも北岳と言うことで最高の眺望に感動しての登頂。
それに山梨百名山完登に付き合えたと言うことを悦んでくれていた。
下山の御池小屋手前から足が笑い、言うことを聞かない状況が出てきた。
休むと復活するが、苦しい下山が続く。
私も足が笑い転倒したことがかつてあったので苦しみが分かる。
よくぞ最後まで歩ききったと感動ものだった。

最終バスに間に合うか、間に合わなければタクシーで。
あまりの天気の良さにのんびりしすぎたのと小太郎山の思っていた以上の厳しさ。
私の計画の甘さも、様々な要因が重なり時間がかかる下山となった。

御池小屋で最終16時40分発のバスには間に合いそうにないのが分かる。
御池小屋から17時にタクシーを広河原へ予約した。
タクシーに間に合うか。
長い急下降の下山。
沢が見える。小屋らしき物が見えた。熊まで見えたと幻覚が。

吊橋を渡り無事下山


17時30分までにはタクシーも出発したいとの連絡が、先にウンコと言い先行したN氏から連絡が来る。
夜叉神ゲート閉鎖が18時と言うことでギリギリ17時30分まで待つとのこと。
必死の思いで下山が始まる。
「今どこ」「つりばし」実はまだ吊橋手前だったがタクシーを待ってもらうためには、ちょっと嘘も。
なんとか吊橋に付く、走るように吊橋近くで待機するタクシーに走り寄る。

17時30分はゆうに過ぎていたが待っていてくれたタクシー。
にこやかに迎えてくれ、我々は飛び乗る。
ドライバーはちょっとスピード出していきますと発車。
スピードは出ているものの安心してくねくね道を夜叉神通過のために走ってくれた。
気が気でなかったがギリギリで閉門準備に入るところを通過することができた。

やっと下山した。
ヒヤヒヤしながら最後までドラマのような山行となった。
そして最高の幸せは、目標だった山梨百名山を皆で無事登ることができたことだった。

ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 21:00Comments(0)三百名山

2023年09月27日

槍ヶ岳 5年越し念願の登頂(4回目)

2023年(令和5年)9月23日(土)から26日(火)

槍ヶ岳 5年越し念願の登頂(4回目)




https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5972640.html

槍ヶ岳3180m山頂にて


槍ヶ岳にどうしても登頂したいK氏。
もちろん他のメンバーも槍ヶ岳に登りたい気持ちは最大級。
地元4人と愛知県の2人の6名でここ数年好機を狙っていた。
ところがメンバーが都合の良い日程を組むが、台風、雪、そして地震と行く手を阻まれてしまった。
せっかく登るのに天候が良くなければとの強い思いがあった。

天狗池 逆さ槍


今回はその絶好のチャンスに恵まれた。
好天が続き、登頂そして景観を楽しむのに天候が味方してくれた。
天狗池での「逆さ槍」、南岳での夕焼けそして日の出、快適な3000m稜線歩き、そして念願の槍ヶ岳登頂となった。

天狗池「逆さ槍」
氷河公園の天狗池へゴロゴロ石の登山道を大きな壁の麓をトラバースして到着。
風は全くない、「逆さ槍」を見るに絶好の天狗池が待っていた。
鏡になった天狗池の水面に青空に聳える槍が映る。
絶妙のバランスで上下対称の槍が、個の槍以上に険しさに加えた優美さを魅せてくれた。

南岳への梯子から槍ヶ岳


天狗池から急斜面の尾根を南岳へと登り上げる。
何ときつい登りか。
最後の梯子、鎖を掴む頃には息絶え絶えと身体が悲鳴を上げる。

大キレット・穂高連峰


南岳の夕焼け
南岳の美味しいカレーとビールをいただき一休み、夕暮れに外に出る。
まずは大キレット側へ。
大キレットから北穂高岳にはうっすら雲が沸き立ち迫力ある光景が。
切り立つ岩、奥穂・ジャンダルムがシルエットとなり迫る。
笠ヶ岳付近から日が沈み、ダイヤモンド富士ならぬダイヤモンド笠が見られた。

夕焼け・南岳テン場から笠ヶ岳


さほど寒さ、冷えを感じなかった南岳山荘の朝は早い。
朝焼けが始まる頃には小屋を出発して南岳山頂へ。
三角形の常念岳方面から日の出が始まった。
空は徐々に焼け始め、オレンジ色から紫色、コバルトブルーの美しい空が一刻一刻と変化してゆく様が素晴らしい。
モルゲンロートの槍ヶ岳を期待する。
空が紫色に染まり、若干赤みを帯びた槍が見られる。
笠ヶ岳の先にはスッポトライトのごとく太陽光が差し込んでいた。

朝日を受けちょっとモルゲンロートの槍ヶ岳


朝焼けを楽しんだ南岳から槍ヶ岳を目指す。
稜線は3000m級の南岳、中岳そして大喰岳を踏破してゆく。
若かりし頃はなんとも思わなかった稜線が、起伏の大きさ、岩の厳しさに歳を重ねてきたことを思い知らされた。
槍を目の前に、左手には笠ヶ岳・白山、右手には昨日雲隠れしていた八ヶ岳も顔を出してくれ、南アルプス甲斐駒ヶ岳の横には富士山がくっきりと姿を現わしている。

3000m稜線を槍ヶ岳へ


飛騨乗越からの最後急登で槍ヶ岳山荘へと出た。
目的の槍ヶ岳登頂が目前となった。
稜線を歩き槍に近づくほどその迫力が増してきていた。
岩の塊、天を突く槍先にもうすぐ到達できるのだ。

槍肩の小屋と天突く槍ヶ岳


南岳小屋の弁当でエネルギーを蓄えいざ出発。
ヘルメット装着、持った物は財布と携帯だけ。
岩を掴み、鎖に頼り、三点支持を守りながらよじ登る。

最後の梯子を登り切り山頂へ。
感激!感動!幸福!感謝!
よく分からないが感動の山頂到達となった。
景色は最高、360℃の大展望だ。
南アルプス、御嶽・乗鞍・穂高連峰、裏銀座、立山・剱岳、頸城の山々、浅間山、燕・常念・蝶ヶ岳、八ヶ岳、そして富士山と切りが無い。
思い思いに記念撮影をしてどんどん登ってくる方に山頂を譲り再び岩に取り付き慎重に下山する。
下山道の方が足が届かないところがあったりして難しく感じた。
無事念願だった槍ヶ岳登頂を果たすことができた。

槍に取り付く 足場は?手はどこへ?


個人としては若かりし頃、テントのポールが折れる、そして雪降りで断念した思い出。
再挑戦して槍の肩でのテン泊登頂、その後大キレットを北穂へと。
2回目は中学生の息子と表銀座、東鎌尾根、大槍ヒュッテに泊まり登頂。
3回目は裏銀座から高天原・雲ノ平そして双六から西鎌尾根をへて登頂している。
今回が久しぶりの4回目登頂となったが天候に恵まれ、山仲間にも恵まれ楽しい登頂となった。

槍ヶ岳山頂から肩の小屋・笠ヶ岳


ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 09:40Comments(0)三百名山

2023年09月19日

戸隠山 奥社から一不動 悪戦苦闘!

2023年(令和5年)9月16日(土)

戸隠山 奥社から一不動 悪戦苦闘!




https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-5939060.html

蟻の塔渡り


戸隠山に登ったのはほぼ40年前、山を本格的に登り初めた頃以来になる。
10年ほど前には西岳に登り、八方睨みから下ってはいる。
蟻の塔渡りは3回目となり、40年前はトラバースもなく這いずって渡った恐怖の記憶がよみがえる。
ところが10年ほど前の八方睨みからの下り時は、トラバースの鎖が設置されていたので使用した。

今回はN氏との同行となった。
来週に槍ヶ岳を控え、大姥山、乗鞍岳、そして最終槍トレとして戸隠山。
若かりし頃の感覚で登り始めたのだが思っていた以上に年齢を感じてしまった。

ハードな岩場が続く


奥社からいきなり急登に汗びっしょりとなる。
一番の鎖場までが長く感じるハードな登りにエネルギーを消耗した。
五十間長屋、百間長屋付近からの連続する鎖場に必死となる。

この鎖場も過ぎれば直ぐに蟻の塔渡りは近いと思っていたが、連続する鎖に辟易。
垂直、トラバース、足場の少ない鎖場と、かつては楽しかった岩場も苦行の場となっていた。

でも気持ちを切り替え、わくわく感を抱き歩ける登る幸せと思うと苦難も楽になった。
確かに歩ける、登れる、そして岩場に取り付けるのは幸せな時と思う。
時間はかかったが難所を登りきり蟻の塔渡りへとたどり着いた。

最難関の蟻の塔渡り!
視界は開け、目の前に両脇切れ落ちる岩の平均台が現われた。
平均台を渡る気は全くなく、トラバースの鎖へと取り付いた。
トラバースといえどもかなり厳しく慎重に下り、岩場を登る。

蟻の塔渡り・鏡池


ここで出会ったのが大分県から来たという若者だ。
車中泊をしながら北信濃の山々を登り巡っているとのこと。
蟻の塔渡りを自撮りしながら気持ちよさそうに渡っていた。
岩が大好きと話し、塔渡りなどの岩場で止まり、時間をかけて山を楽しんでいるのが見られた。
アルプスデビューも西穂から奥穂の岩場だったと言うから驚きだ。
そして戸隠の岩場の方が難しいと話していたのには同意できた。

西岳の険しい峰々


無事難関を通過して八方睨みへ
西岳が、そして三角錐の高妻山が堂々と聳えていた。
蟻の塔渡りも眼下に見られ、麓の鏡池も展望できた。

戸隠山1904m山頂・高妻山が聳える


わずかばかり進むと戸隠山最高地点へと到達した。
やはり目の前に高妻山がそそり立つ姿が美しい。
大分の若者も山頂で一緒に一時を過ごし、スマホ同士だと写真交換ができるとのことで我々の写る塔渡りでの写真をいただいた。

九頭竜山を経て戸隠の稜線を行く。
1本鎖、ロープが設置されたところが2カ所ほどあったのみ。
ただ起伏が激しく登ったり下ったりの足腰にきついコースだった。
N氏、多分少し座骨神経痛で足に違和感があったようで、このアップダウンで強烈な痛みが発症してしまった。

稜線から迫力の岩壁


歩けなくなることはなかったが、痛みに耐える姿が今でも思い出される。
時々立ち止まっては足をさすり、再び歩き出す。
医者嫌い、薬は飲まない、もちろん注射などしたことない人だ。
そんなN氏に痛め止めの薬があるから飲むように進めると、かなり痛いのだろう飲んでくれたのだ。

時間はかかるが稜線を歩き、一不動へとたどり着いた。
一呼吸置き、起伏のない下山を始めた。
氷清水に着くまでは、問題ない登山道でもありゆっくりだが快調だった。

帯岩に下りる岩場


氷清水は、数秒と手をつけていられないほどの冷たさだった。
身にしみる旨い水!冷たさが一気に身体を冷やしてくれた。
様々な清水を飲んではきたが、苦しい山行故かも知れないが最高の清水と評しても良いと思った。
ペットボトルの水を入れ替えまだ続く長い下山へ。

ここからの沢道は氷清水が流れ石を濡らし滑る難所となった。
そして帯岩の下りる鎖と帯のように長い岩をトラバースする鎖場。
さらに滑滝の鎖場の足場の滑る岩には恐怖を感じた。
薬が少し効いたようでN氏も慎重に下ってくる。

滑滝横の恐怖の岩場


沢から外れ平坦な道が続き、牧場のゲートへ着く。
ここまで来れば問題く、下山と同様だったが。
雨が降り出すおまけが付いた。
牧場内でレインウエアを着込むこととなった。

最後は濡れながら戸隠キャンプ場内を歩く。
無数に張られたテントに圧倒されてしまう。
夕飯の準備が始まっているようで薪を焚く匂いが漂ってくる。
テント場の上に、雨雲に霞む今まで登っていた戸隠の山容がうっすらと見られた。

ふるちゃん  


Posted by ふるちゃん at 20:37Comments(0)三百名山