2017年09月05日

毛勝山へ 西北尾根コースより

2017年(平成29年)9月4日(月)

毛勝山へ 登り地獄!絶景に癒される

「登り地獄 展望癒す 毛勝山」




(毛勝山山頂 後ろ鹿島槍ヶ岳) 
毛勝山へ 西北尾根コースより

今シーズン目標の一座、毛勝山
笊ヶ岳の日帰りで多少の自信はあったが、
いくつかの不安を抱かせる毛勝山へのコースだ。

平日で登山者は少ないだろうと思っていたが、
すでに登っていると思われる人の車が一台止まっていた。
さらにほぼ同時にやって来た方がいたということで心強く感じる。

登山口が分かり難いという情報もあったのだが
阿武木谷方面の林道も分かり、
山道への登山口も分かりやすく難なく歩き始めることができた。

全く標示のない山だっただけに、
ヤマレコの写真情報はありがたく感じた。

さらに山道の草木、ことに笹刈りが行われたばかりのようで、
明確に道がわかり、濡れることもなく歩くことができた。
また急峻な登りにはロープが張られ、よく整備されていることを感じた。
本当にありがたいことと思い登ることができた。

これで安全安心と思い登り始めたのだが、
いきなりの急登に息も上がり、かなりきついものがあった。
西北尾根へ上がるまでの、じめじめした暗い登山道は滑りやすく、
木の根が拍車をかけ、滑りそうで慎重にならざろう得なかった。

(巨木・妙木の根元を進む)

毛勝山へ 西北尾根コースより

僧ヶ岳、駒ヶ岳らしき山が見え
ようやく尾根と思われるところに出たことが分かった。
尾根に出たので急な登りはないのかと思いきや、
起伏の大きな登り下りが待っていた。


すっかり足を使いへとへとになり
三角点のある標高1479m近くでしっかり腰を下ろし休むことになった。
この三角点、山頂以外で標示ではないが唯一人工的な目印だった。

(三角点・山頂までの唯一の人工物)
毛勝山へ 西北尾根コースより

ここから先も起伏が多く、長い長い稜線歩きが続いた。
途中から北アルプスの白馬岳などが顔を出し、
その展望が稜線歩きに変化を与え、疲れた登りに力が出た。

(白馬三山の稜線)
毛勝山へ 西北尾根コースより

どのあたりがモモアセ山だったのかわからないまま過ぎたのだが
比較的なだらかで歩きやすい登山道が続き
周りには小さな池、地溝そしてお花畑も見られた

(モモアセ池と僧ヶ岳・駒ヶ岳)
毛勝山へ 西北尾根コースより

池の代表がクワガタ池になるのだろう。
最初、池があり良い場所だと思い休憩しているところに、
一緒に登り始めた三百名山270座ほど登ったという方が来られて
クワガタ池であることを知らせてくれた。
良く見ればクワガタの姿によく似た池だったのだ。

(クワガタ池)
毛勝山へ 西北尾根コースより

クワガタ池付近からは毛勝山の急峻な登りが目の前に延びる
ここからが最後の登りになるのだ。
久しぶりの腿の張りを感じ足の調子が今一だった。

(毛勝山への最後の登り)
毛勝山へ 西北尾根コースより

登り始めるが一歩一歩が小さくなってしまう。
それでも進んでいるだけよく、徐々に足に痛みが出て
今にも足がつりそうになるのだ。
ここで足がつったらどうしよう、
心配と山頂まではとの思いが頭の中で旋回していた。

後から登って私を抜き去り、山頂からすでに下山してきた方が
最後数十メートルの急登をあえいでいる私に
「ラストの登りですよ」と教えてくれるが、
もう一言、「下山の地獄も待っていますが。」
と山頂に到達する一歩手前の私に、
下山のことが思い切りよぎってしまうのだった。


右足の腿、両ひざの裏がひどい!
つりそうな足を本当につらないように進め、
最後の深い溝の登山道を出ると目の前に剱岳が飛び出した
そして360℃展望の山頂が待っていた。

毛勝山へ 西北尾根コースより

でも足を休めることが先決
いつもならば喜び写真を収めるところだが足がつりそうなため
すぐに山頂にあった椅子のような石に腰かけ足を伸ばした。
足をリラックスさせるしかないだろうと休み、足の緊張をほぐした

しばらく休んでいるうちに周りの景色に顔を上げる
徐々に元気が出て360度の展望に目がいくようになった。
剱岳、北アルプスそして富山湾方面
歩いてきた西北尾根の稜線と阿武木谷も美しい


(五竜岳・鹿島槍ヶ岳)
毛勝山へ 西北尾根コースより

(富山湾・能登半島方面)
毛勝山へ 西北尾根コースより



(阿武木谷・西北尾根・僧ヶ岳)
毛勝山へ 西北尾根コースより

高曇りで、毛勝山を取り囲む絶景に癒される感じがした。
たぶんこれだけ展望の良い日は久しぶりだったのではないかと思われる。
今シーズンの天候の悪さから考えて今日しかないと思ってやってきた。
正にそれが正解だったようで360度の大展望を楽しむことができた。

30分ほど休み、同時期に登ってきた三百名山270座ほど登った方と
いくつかの山の話をしているうちに元気を取り戻すことができた。
五竜岳、鹿島槍ヶ岳方面に雲が涌き立ち始め、
「下山の地獄も待っている」とも言われたので
ゆっくり時間をかけて下ろうと山頂を後にした


急坂を下り始めると、右足の膝裏が痛むこと。
足の太腿もつりそうになるのだ。
本当に時間をかけ下るしかないと覚悟を決めゆっくりと足を進めた。

すると人間の身体というのは不思議なもので
痛みが気づくとないではないか。
足もスムーズに動くようになり、徐々に下りのペースが上げられたのだ。
これで何とか明るいうちには下山できそうと思い
今一度痛み、つりそうな感じが出ないように時々足を止め
足をリラックスさせながら長い稜線、急な坂を慎重に下りた

(下山途中・クワガタ池が美しい)
毛勝山へ 西北尾根コースより

本当に知らず知らずのうちにいつもの調子が出て下りも快適になり、
全く問題なく下山できそうと思うことができた。

そこにちょっと油断があったようで
最後の最後、登りの時に気を付けていた滑る木の根に
右足裏がしっかり乗ってしまったのだろう
いっぺんに身体が持っていかれ、横滑りしながら転倒。
その瞬間目の前に大きな石があったのだ。


一瞬のことだったが石の前で止まっている自分の顔があった。
右手が少し今でも痛むが無傷で済んだ。
一歩間違えば大怪我だっただろうと思うと
あの右足が滑っていく瞬間、感覚がよみがえってくる

下りでの緊張感は持ち続けていたとは思うのだが
どこかに緊張感が薄れていたのだろう。
運が良かった、だけでは片づけられないものがある。
次回からの山行に、この一瞬の出来事を思い起こそうと思う。

ハードな山だった。
私の登った山の中でベスト3には入るのではないかと思う。
山頂ではどうなるだろうかと思った足の痛み、つりそうな足。
最後のアクシデント
思い出に残る毛勝山となった


ふるちゃん


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Posted by ふるちゃん at 20:52│Comments(0)三百名山
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